密教 / タントラとは?

密教について

密教(タントラ)とは?

密教(タントラ)とは。

密教(タントラ)とは人を完全な覚りに導く最高の道です。完全な覚りとは、人間が持つ潜在的な可能性の中で最も高いゴールであり、こころのすべての障害が取り除かれた完全な平和な状態です。

しかしこの状態は、ただ待っていれば到達できる状態ではありません。そこにいくためには適切な方法を使わわなければなりません。仏教には顕教(スートラ)という教えと、秘密のマントラ(密教/タントラ)という教えがあります。そして、覚りを達成するためにはこの2つが必要であり、これ以外の第3の方法は存在しません。

この2つの中でも秘密のマントラと呼ばれている教えで明らかにされたテクニックは、顕教(スートラ)より優れています。

また秘密のマントラは、覚りへ向かう最高の道であるだけでなく、それはとても稀なものです。ツォンカパが言った通り、秘密のマントラの教えは、この世に現れるブッダ達の数よりも稀です。この幸運な永劫には1000のブッダ達が現れます。しかし、4番目(ブッダ・シャカムニ)と11番目と最後のブッダだけが秘密のマントラの道を教えます。

私たちはまさに今、この稀で有益な教えを実践することができる素晴らしい機会を得ています。よって、それらを純粋に実践するという強い意志を養うことが大切です。大乗仏教の教えがこの世から消滅すれば、私たちはブッダになる機会を失います。よって、私たちがこれらの貴重な教えに触れることができる間に、それらを熱心に修練し、それらの経験を積むように努めるべきです。

秘密のマントラの「秘密」とは、これらの方法は秘密に、そして慎重に実施されるべきであることを示しています。もし私たちが自分の修練のことを公に示せば、多くの障害や否定的な力を引き寄せるでしょう。これは、もしあなたが高価な宝石を持っていて、それについて公然と不注意に話せば、その結果として泥棒の注意を引くことに似ています。

「マントラ」とは「心の保護」を意味します。秘密のマントラの機能は、私たちの心を”普通の外見”や”普通の概念”から守ることによって、私たちがスピリチュアルな道の段階を通して、素早く前進することを可能にします。

なぜ、タントラなのか?

タントラ(密教)は、スートラ(顕教)より優れていると言わているからです。しかし、なぜそうなのかを理解するためには、スートラとタントラの両方をしっかり学び修練する必要があります。そうでなければ、タントラの優位性に関する私たちの声明は、単なる言葉だけのものになるでしょう。

もし私たちがスートラとタントラの両方をしっかり勉強しなければ、スートラとタントラを結合して実践するのは難しくなるでしょう。その結果、タントラの実践を拒絶するか、またはスートラの実践を無視するかのいずれかの大きな危険にさらされるでしょう。

タントラの教え、あるいは時に、秘密のマントラと呼ばれているものは、ブッダの教えの中で最も稀で最も貴重なものです。そして、秘密のマントラの道に従うことによってのみ、私たちは覚り、つまりブッダの境地を達成することができます。

なぜスートラ(顕教)を実践するだけでは完全な覚りを得られないのでしょうか?そこには2つの大きな理由があります。まず最初の理由は、わたしたちがブッダの境地を達成するためには、ブッダの真実の体(The truth body)と、ブッダの形の体(Form body)の両方の体を達成する必要があります。

もちろん、スートラの教えも知恵の道の段階とその方法において、これら二つの体がどのように達成されるかという一般的な説明は提示しています。しかし、これらの実際の直接的な詳細説明は与えられていません。ブッダの”真実の体(The truth body)”の実際の直接的な元になっているのは、”意味のある透明な光(Meaning clear light)”であり、”ブッダの形の体(Form body)”の直接的な実際の元は、”幻影の体( the illusory body”)です。これらは秘密のマントラでのみ説明されています。

スートラが私たちを完全な覚りに導くことができない2つ目の理由は、スートラの教えは、全知に対する非常に微妙な障害の克服法を提示していないためです。それは、”白い現れ”、”赤の増加”、”黒に近い達成の心”と関連している微妙な二元的な外観のことです。これらの3つの心は、私たちの内なる風が、睡眠中、または死の過程中、または完成段階の瞑想中に中央の脈管の中で溶解するときに現れます。

これらの心は微妙ですが、それでもまだ汚染されており純粋ではありません。なぜなら、それらの対象である、”白い光が広がる空間の外観”、”赤い光が広がる空間の外観”、”黒い光が広がる空間の外観”が実在して存在するように見えるからです。これらの実在的な存在の現れは微細な二元的な現れであり、全知のこころに対する非常に微妙な障害になっています。

スートラの教えは、”白の外観”、”赤の増加”、”黒に近い達成”の微妙な心の認識法を説明していないため、スートラのみを修練している菩薩たちは、それらに関連した微妙な二元的な現れを認識することすらできません。これらの微細な二元的な現れを放棄する唯一の方法は、クリアライトという微細なこころで空を直接悟ることです。

とても微細なこころであるクリアライトを明らかにする方法は、秘密のマントラにおいてのみ説明されています。よって、ブッダの境地を達成したい人は必ずこの道に入る必要があります。

確かなタントラ

ツォンカパは正真正銘のタントラの修練は「4つの完全な純粋性」として知られる4つの属性を保持していると説明しました。それらは

・完全に純粋な場所

・完全に純粋な身体

・完全に純粋な環境

・完全に純粋な行為

これら4つの完全な純粋さの実践はスートラの教えでは明らかにされていませんでしたが、秘密のマントラで明らかにされています。秘密のマントラは、将来の結果を現在の道に持ち込むという修練によってスートラと区別されます。例えば、わたしたちがまだ覚りを達成していなくても、秘密のマントラの修練を行う時は、私達の環境の普通の出現の仕方、そして普通の概念を止めるようにします。その代わりに、私たちの周囲の環境を神の曼荼羅として視覚化します。

同じように、私達は私達の体、私達の楽しみ、そして私達の行為の通常の出現の仕方を防ぎ、その代わりにわたしたち自身を神として、わたしたちの環境をブッダの環境だと視覚化し、わたしたちの楽しみをブッダの楽しみ、覚りを得た者の行為を修練します。このような修練をすることによって、私たちは結果として生じるブッダの状態を非常に早く達成することができます。これら4つの修練は秘密のマントラの生成段階と完成段階の両方に不可欠です。(さらなる情報は、ゲシェ・ケルサン・ギャツオ・リンポチェの著書、「密教の土台と道(Tantric Ground and path)と、「至福の澄みわたる光(Clear Light of Bliss)」を参照)

タントラのレベル

タントラ、又は、秘密のマントラには4つのレベルがあります。

・行為のタントラ(Action Tantra)

・動作のタントラ(Performance Tantra)

・ヨガタントラ(Yoga Tantra)

・無上ヨガタントラ/無上瑜伽タントラ(Highest Yoga Tantra)

行為のタントラは主に外部の行為を強調しています。動作のタントラは外部と内部の両方の行動を等しく重視しています。ヨガタントラは主に内的行動を強調しています。無上ヨガタントラ(無上瑜伽タントラ)はタントラの中でも最高クラスのタントラです。4つのレベルの全てのタントラは、偉大な喜びを精神の道に変換します。しかし、変容の方法は、それぞれのレベルによって異なります。

行為のタントラでは、瞑想者は視覚化した女神をみることで喜びを引き起こします。そしてその喜びをスピリチュアルな道に変換します。動作のタントラでは、瞑想者は女神と笑顔を交換することで至福を生み出します。ヨガタントラでは、彼女と手を繋ぐなどをして至福を生み出します。

無上ヨガタントラ(無上瑜伽タントラ)では配偶者と性的な抱擁をしているところを想像することによって、高度な段階では実際の抱擁に従事することによって至福を生み出し、この喜びをスピリチュアルな道に変換します。しかしながら、覚りを達成するための方法として大きな喜びを使うことは、とても難しいことを心に留めておくべきです。そして、もし私たちがこれをすることができれば、素晴らしい成果を達成することができます。

偉大なマハシッダ・サラハは「みんなは性交に興奮しますが、この喜びをスピリチュアルな道に変えることができる人はほとんどいません」と言いました。さらなる情報は、ゲシェ・ケルサン・ギャツオ・リンポチェの著書、タントラの土台と道・Tantric ground and path をご参照くださいませ。

執着とタントラ

一般的に、仏教では執着は避けなければならなく、最後には放棄しなければならない煩悩だと教えています。しかし秘密のマントラでは執着をスピリチュアルな道に変換する方法があります。

しかしながら、これを修練するためには、わたしたちはとても熟練していなければなりません。わたしたちは執着を偉大な喜びを起こすために使い、そして、偉大な喜びのこころを空を瞑想するために使います。これができた場合のみ、執着の変換になります。

執着はそれ自体、スピリチュアルな道として直接は使えません。なぜならそれは煩悩だからです。そして、秘密のマントラにおいてさえ、最後には放棄されなければなりません。信頼のおける秘密のマントラでは、執着から起こった喜びで空を瞑想し、執着自体を含む、すべての煩悩を克服します。

これは、2つの木をこすり合わせることで発生した火が、最終的にはその木自体を燃やし尽くしてしまうことに似ています。

熟練していない人、あるいは心が訓練されていない人にとって、そのような変容の実践は不可能です。このような理由から、過去のヨギや偉大な瞑想家たちは、秘密のマントラの深い理解を得たければ、まず最初に、顕教(スートラ)の道の段階のトレーニングによって、心をコントロールする必要があると言いました。このしっかりした基盤を築かなければ、秘密のマントラの純粋な経験を達成することは絶対にありません。

よって、スピリチュアルガイドと弟子は心をしっかりコントロールして申し分のない動機を持つことが大切です。例え私たちが自分自身を仏教徒と呼び、三宝に毎日帰依をしているとしても、これだけでは秘密のマントラの修練する資格としては十分ではありません。

秘密のマントラの完成段階において自然に発生する喜びは、性的抱擁の最高時に経験する通常の喜びと同じではないことには留意すべきです。

自然に発生する喜びは、瞑想の力によってのみ経験することができます。私たちは風を中央の脈管に入れて、止まらせ、溶かすようにします。その結果白いドロップが溶けて中央の管を流れます。

空を悟るために自然に発生する喜びを用いる方法は、サラハ(Saraha), ナガージュナ(Nagarjuna), ティロパ(Tilopa), ナロパ(Naropa)、マイトリパ( Maitripa) そして、チベットの偉大なマスターである、マーパ(Marpa)、ミラレパ(Milarepa),。ガンポパ(Gampopa)、そして、ジェ・ツオンカパ, と言った、インドの偉大な秘密のマントラ修練者たちの本質的な中心となる実践でした。

過去と同じように、今日でも、秘密のマントラの瞑想者が完璧な悟りを開くための最高の道は、自発的な至福と空虚の融合です。

(さらなる情報は、ゲシェ・ケルサン・ギャツオ・リンポチェの著書、「密教の土台と道(Tantric Ground and path)と、「至福の澄みわたる光(Clear Light of Bliss)」を参照)

タントラの先生たち

カダンパ仏教の全ての瞑想は、征服者である、バジュラダラ(Vajradhara)と、古代インドの偉大な秘密のマントラのマスターたちから伝えられました。

これらのテクニックはインドのマスターからチベットのマスターに伝えられました。これらはスピリチュアルな父からスピリチュアルな子へ、途切れのない系統で現在の先生に受け継がれてきました。

マハムードラの瞑想は、古代インドのマスターによって実践されましたがここで示されているマハムドーラの特定のシステムは、征服者バジュラダラから、智慧のブッダであるマンジュシュリに、そして、それを直接、ジェ・ツオンカパに伝えた「近い」系統です。よって、ジェ・ツオンカパはこの特定の系統の最初の人間のマスターです。

バジュラヤナ・マナムードラ(Vajrayana Mahamudra)のマスターの系譜は以下になります。

Vajradhara
Manjushri
Je Tsongkhapa
Togdän Jampäl Gyatso
Baso Chökyi Gyaltsän
Drubchen Dharmavajra
Gyalwa Ensäpa
Khädrub Sangye Yeshe
Panchen Losang Chökyi Gyaltsän
Drubchen Gendun Gyaltsän
Drungpa Tsöndru Gyaltsän
Könchog Gyaltsän
Panchen Losang Yeshe
Losang Trinlay
Drubwang Losang Namgyal
Kachen Yeshe Gyaltsän
Phurchog Ngawang Jampa
Panchen Palden Yeshe
Khädrub Ngawang Dorje
Ngulchu Dharmabhadra
Yangchän Drubpay Dorje
Khädrub Tendzin Tsöndru
Dorjechang Phabongkha Trinlay Gyatso
Yongdzin Dorjechang Losang Yeshe
Dorjechang Kelsang Gyatso Rinpoche

近年においてこの系譜は、タントラの神のヘルカの化身である、 Trinlay Gyatso、あるいは、Phabongkha Rinpocheという名前でより広く知れ渡っていますが、彼によって保持されていましたこの偉大なラマはダルマの太陽のようであり、スートラと秘密のマントラの両方の隠された意味に光を与えました。

彼はこのマハムードラの系譜を彼の心の息子であるYongdzin Trijang Dorjechangに伝えました。この聖なるスピリチュアルガイドの優しさと権威を通して、この情報が利用可能になっています。

タントラの本

資格のあるタントラのマスターによる信頼できる本は西洋においては稀です。しかし、ターパ出版社(Tharpa publication)は、現代のタントラのマスター、ゲシェ・ケルサン・ギャツオ・リンポチェの5つの本を提供しています。

 

マハムードラ・タントラ(Mahamudra Tantra)

タントラの瞑想の紹介本です。

密教(タントラ)の土台と道(Tantric ground and paths)

タントラの瞑想のすべての段階の説明

至福の澄み渡る光(Clear Light of Bliss)

マハムードラによる完成段階の詳細な説明

ダキニの地への手引き(Guide to Dakine Land)

ブッダ・バジュラヨギニの無上ヨガタントラの説明書

バジュラヤナの真髄(Essence of Vajrayana)

ブッダ・ヘルカの無上ヨガタントラの説明書

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